籠球競技規則（昭和３２年９月改正）の全文→年報１９５７に掲載。
１９８５年改正 １９９１年改正 １９９５年改正 １９９９年改正 ２００１年改正 ２００４年改正 ２００５年３月改正
２００６年改正 ２００９年改正 ２０１１年改正 ２０１３年改正 ２０１５年改正
フリースローとスローインの「選択の権利」
1969～1990年の間適用されたルール。
フリースローが与えられたときに、フリースローをする代わりにセンター・ラインからスローインすることが選択できた。
終了時間が迫って僅差で逃げ切りたい場合にスローインが選択されることがないことはなかったが、ほとんど見かけなかった。
1991年に制度が廃止されたときには、まだそんなルールが生きていたのかと思った。
スリー・フォー・ツー Three For
Two
1977～1984年の間適用されたルール。
シュートに対するパーソナル・ファウルがあって、シュートが不成功の場合２個のフリースローが与えられるが、このルールでは１投目又は２投目のどちらかが不成功の場合
あるいは両方とも不成功の場合に３投目が与えられた。フリースロアーが失敗することによって、２失点するところを無失点や１失点ですむメリットをなくすために考え出され
たものであるが、試合時間が長引くことになったため廃止された。フリースロアーにとっては大変楽なものでありました。
ワン・エンド・ワン One And
One
1985～1994年の間、チームファウルに対して与えられるフリースローに適用されたルール。
２個のフリースローが与えられるが、１投目が成功したときにだけ２投目が許される。従って１投目からリバウンドに入る。
残り時間が少なくなったときに、リードされているチームがファウルゲ－ムするという戦法はこのルールのもとで考えつかれた。
（田邊正道編「ルールの変遷(その２)」から引用）
○ 「３点ショット」の導入。
コート上に「スリー・ポイント・ライン」がえがかれ、その外側からのショットを成功させれば３点が認められることになった。
これに伴い、スリー・ポイント・ショットをファウルで妨害されたときは３個のフリースローが与えられることになった。
○ それをこえると相手にフリースローが与えられるチームファウル数。 各ハーフ８回 → → 各ハーフ７回 （ファウルの抑制）
「ワン・エンド・ワン」ルールの導入。
○ 「スリー・フォー・ツー」ルールの廃止。
○ インテンショナル・ファウルの罰則。 ２個のフリースロー → → ２個のフリースロー ＋ センターラインのアウトでスローイン（重罰化）
ディスクォリファイング・ファウルも同様。
○ 30秒ルールに「継続してはかる」ことが導入され、途中でアウト・オブ・バウンズがあっても同じチームの攻撃が継続されるのであれば30秒の
残り時間を継続してはかることになった。
ただし、ボールを蹴ったりこぶしでたたいたりしたヴァイオレイションのときはあらたに30秒をはかりなおす。
○ バック・パス・ルールの適用は単にラスト・タッチによるのではなく、「フロント・コートでのボールの保持」を基準として適用されることに
なった。
○ ボールを保持しているプレイヤーが相手に近接してガードされ、何もプレイができないで５秒が経ってしまったときの処置。
ジャンプ・ボール → → ヴァイオレイション （ディフェンスの効果を評価。）
○ ファンブルしたボールを拾いなおすことはドリブルではないことが明確になった。
○ アウト・オブ・バウンズからスロー・インするプレイヤーは、ラインを踏んでスロー・インしてもよいことになった。(踏み越してはいけない。)
○ ジャンプ・ボールのヴァイオレイションがあったときに相手がボールをプレイできればヴァイオレイションを無視するという規定が廃止され、
ただちにヴァイオレイションが宣せられることになった。
○ コーチのテクニカル・ファウルの罰則。 １個のフリースロー ➜➜➜ ２個のフリースロー
○ コーチはゲーム開始５分前までにスコアシートで自チームのスターティング・ファイヴを確認し、確認サインをすることになった。
（田邊正道編「ルールの変遷(その２)」から引用）
○ ２個、３個またはワン・エンド・ワンのフリースローを与えられたチームが、フリースローをせずにセンター・ラインのアウトからスロー・インを
選べる「選択の権利」が廃止され、与えられたフリースローは必ず行わなければならないことになった。
○ 一人の相手に複数のプレイヤーがほとんど同時にファウルをしてそれぞれにファウルが記録される「マルティプル・ファウル」の規定は
廃止された。このような場合には審判が先に起こったファウルを決め、そのファウルの処置でゲームを再開する。
○ 同じデッドの間にいくつものファウルが起こったときに、同じチームに与えられるフリースローの数を制限する基準になっていた
「プレイ・フェイズ」という考え方が廃止され、ファウルが起こった順にフリースローが与えられることになった。
両チームにフリースローが与えられる場合には等しい重さの罰則を相殺し、残ったフリースローをしてゲームを再開する。
○ フリースローのときにレーンに沿ってリバウンドに備えるプレイヤーは決められた位置に入る両チーム３人ずつの６人だけとし、
その６人はボールがシューターの手から離れたらレーンに踏み込んでもよいことになった。
○ プレイヤーが持っているボールをわざと相手に当ててそのボールがアウトになった場合でも、最後にボールを触れた相手の
ヴァイオレイションとすることになった。
○ スロー・インのボールを与えられたプレイヤーがその場所から勝手に移動してスロー・インしないように、
ボールを持って動いてもよい範囲がボールを与えられたところから１歩の幅に決められた。
○ スロー・インされたボールがコート内のプレイヤーに触れないでコートの外へ出てしまった場合、相手チームのスロー・インはボールを
元の場所へ戻して行うことになった。
○ ヴァイオレイションのあとのスロー・インがバック・コートのアウトから行われる場合でも、審判が一度ボールを手にしてから
スロー・インするプレイヤーに与えることになり、チャージド・タイムアウトや交代の合図の遅れによる混乱が少なくなった。
○ コート・サイドにチーム・ベンチ・エリアが設けられ、コート内でもめごとが起こったときにコーチ以外の者が
チーム・ベンチ・エリアから出れば失格・退場となることが決められた。
○ チャージド・タイムアウトのときにプレイヤーはコートから出てチーム・ベンチにすわってもよいことになった。
○ 審判が罰則の適用や処置を間違えてゲームを再開してしまった場合、限られた時間内に気がつくか発見されれば訂正の処置ができることになった。
○ プレイヤーの大型化に対応してバックボードの下線が15cm切り詰められ、プレッシャー・リリース・リングの規格が明示された。
○ ゲームをスムーズに運営するために、オフィシャルズ・テーブルに「テクニカル・コミッショナー」がすわってもよいことになった。
○ チームファウル(セブンファウル・ルール)の罰則が「ワン・エンド・ワン」から「２個のフリースロー」に再度変更された。
○ チームファウルの数は規定の回数(７回)をこえるまで継続して表示するように決められた。
○ ファウルやヴァイオレイションのあとのスローインはもっとも近いアウト・オブ・バウンズから行うことになり、得点のあと
でなくてもエンドラインのアウトからスローインがあることになった。
○ ショットのボールでなければ、ボールが落ち始めてから制限区域内のリングより高いところで攻撃側プレイヤーがそのボールに
触れることはヴァイオレイションではなくなり、アリウープ（バスケットに向かって走りこんだプレイヤーがジャンプして、
味方からのロブパスをリングよりも高いところでつかみそのままダンクショットをすること）がリーガルプレイになった。
ショットされたボールに同じことをすればヴァイオレイションであることに変わりはない。
○ ボールをバックコートからフロントコートに進めるときに、フロントコートで最初にボールを触れたのが相手のプレイヤーで
あっても「ボールをフロントコートに進めた」とすることになった。
○ バックパス・ルールが適用されるボールの条件が「フロントコートでのチームのボールの保持」から「チームのボールの保持」に
変更され、フロントコートでの保持がなくても進めたボールをバックコートに返してはいけないことになった。
○ ジャンプしてショットしたプレイヤーは、ボールを手放したあとでも両足が床に着くまでショットの動作が続いているものと
みなされることになった。従って、ボールを手放したあと床に降りるまでの間にファウルされれば、そのシューターにフリー
スローが与えられることになった。
○ フリースローのときにレーンに沿って並ぶプレイヤーはシューター側２人まで、相手側３人までになった。
○ 名称変更 「インテンショナル・ファウル」➜➜➜「アンスポーツマンライク・ファウル」
○ やむを得ず途中でゲームを打ち切る場合の処置が「没収」と「途中終了」に分けられた。
○ 失格・退場になった者は、ゲームが終わるまで自チームの更衣室にいるか、コートのある建物から立ち退くかしなければならない
ことが決められた。
○ スコアシートに名前を記載されているコーチは、ゲーム中ベンチから立ち続けて指示をしてもよいことが決められた。
○ ゲームの後半の最後の２分間と各延長時限の最後の２分間にフィールドゴールが成功したときは、ゲームクロックが止められることになった。
ただし、どちらのチームも交代はできないし、得点したチームがチャージド・タイムアウトをとることはできない。
ゲームクロックはスローインされたボールがコート内のプレイヤーに触れたときに動かし始められる。
○ チャージド・タイムアウトの回数。 前後半各２回 ➜➜➜ 前半２回、後半３回
○ 各延長時限とも両チームは後半と同じバスケットを攻撃することになった。
○ ３秒ルールはそのチームがコート内でアライブのボールを保持しているときにだけ適用されることになった。
従って、アウトでスローインのボールを持っている間に３秒が数え始められることはない。
○ どちらかのチームがボールを保持していてダブルファウルが起こった場合。ジャンプボール ➜➜➜ ボールを保持していたチームが攻撃を続ける。
どちらのチームもボールを保持していないときにダブルファウルが起こっ場合。ファウルをしたプレイヤー同士のジャンプボールでゲームを再開する。
○ ゲーム中のボールの状態から「インプレイ」の考え方が削除され、「アライブ」と「デッド」に整理された。
○ ゲーム時間。 前後半各20分ハーフ。ハーフタイム10分。
➜➜➜ 前後半各２回計４回の10分ピリオド。各ハーフ内のピリオド間に２分のインターヴァル。ハーフタイム１０分。
○ チャージド・タイムアウトの回数。 前半２回、後半３回。➜➜➜ 第１、第２、第３ピリオドに１回ずつ、第４ピリオドに２回。
○ それをこえると相手チームにフリースローが与えられるチームファウル数。 各ハーフ７回 ➜➜➜ 各ピリオド４回
チームファウルの罰則が適用される状況であっても、オフェンシヴ・ファウルのあとはスローインでゲームを再開することに変わりはない。
○ バックコートでコントロールしたボールをフロントコートに進めるときの制限時間。 10秒 ➜➜➜ ８秒に短縮。
○ チームがコート内でボールを保持してからショットするまでの制限時間。 30秒 ➜➜➜ 24秒に短縮。
ボールがシューターの手から離れても24秒の制限は終わらず、ボールがリングに触れるかバスケットに入るまで24秒がはかり続けられることになった。
シューターの手から離れたボールが空中にある間に24秒が経過したときは24秒の合図と共にゲームクロックも止められ、そのショットが成功すれば
得点になり、不成功ならば24秒のヴァイオレイションになる。
○ プレイヤーのテクニカル・ファウルに対する罰則。 ２個のフリースロー ➜➜➜ １個のフリースロー ＋ スローイン
○ 相手の持っているボールに手を触れるときに、ボールと一緒に相手の手（手首から先の部分）に触れること。
ボールに触れることとみなされファウルの対象にならなかった。
➜➜➜ パーソナル・コンタクトとみなされることになり、相手のプレイを妨げればファウルと判定される。
○ 第４ピリオドまたは各延長時限の最後の２分間にフィールドゴールが成功してゲームクロックが止められたとき。
両チームとも交代は出来ない。➜➜➜ 得点されたチームのみ交代できる。
○ ショットされたボールが空中にある間に24秒の合図が鳴り、そのショットが成功したときはどちらのチームも交代ができることになった。
○ フィールドゴールのあと得点されたチームが取れるチャージド・タイムアウトや交代。
あらかじめ請求しておかなければならない。
➜➜➜ ボールがバスケットに入ってから請求しても認められるが、スローインするプレイヤーがボールを持つ前。
○ 膝より上の大腿部で故意にボールを止めた場合もキック・ザ・ボールのヴァイオレイションとすることになった。
○ ジャンプボールのためにトスされたボールをバスケットに向けてタップすることもショットの動作とすることになった。
○ ボールがバスケットの下から上へ通り抜けたときは、故意であっても偶然であってもヴァイオレイションとすることになった。
○ バスケット・インタフェアの定義はゴール・テンディングとバスケット・インタフェアに分けられた。
ゴール・テンディング：ショットされたボールが最高点に達して落ち始めてからそのボールに触れることの違反。
バスケット・インタフェア：バスケットやバックボードに触れてボールに影響を与えることの違反。
チャージド・タイムアウトの回数
従前 第１、第２、第３ピリオドは各１回、第４ピリオドは２回
変更 前半(第１、第２ピリオドを通して)２回 後半(第３、第４ピリオドを通して)３回
注 従前の回数は２００１年に２ハーフ制から４ピリオド制への移行に伴って変更されたものであるが、２０００年以前と同じ形に戻った。
「競技規則の変更点の概略」
２００５年３月 日本バスケットボール協会 審判部競技委員会
（一部を要約、追記、漢字に変換したり、下記のような三英字略語を使用していて原文通りではない。）
ＣＴＯ：charged time outチャージド・タイム・アウト
ＤＱＦ：disqualifying ディスクォリファイング・ファウル
ＴＣＦ：technical テクニカル・ファウル
ＵＮＦ：unsportsmanlike アンスポーツマンライク・ファウル
ＶＩＯ：violation ヴァイオレーション
１ チーム / プレイヤーの５回のファウル
① ５回のファウルを宣せられたプレイヤーは、旧競技規則ではチーム関係者になることになっていたが、今回の改正ではチーム関係者でも
交代要員でもプレイヤーでもないことになり、そのままチーム・メンバーとしてベンチにすわっていることは許されるが、それ以後ゲームに
出場することはできないことが明記された。
すでに５回のファウルを宣せられたプレイヤー（チーム・メンバー）にさらに宣せられたＴＣＦは、コーチに記録され、チーム・ファウルには数えない。
② プレイヤーに５回のファウルが宣せられたことは、「主審が」宣することが明記された。
③ 国内の大会においては、大会主催者は、２桁以内の番号の使用を認めてもよいことになった。
それぞれの大会規定により、「０」、「00」という番号の使用を認めることもできるし（「07」のような番号は認められない）、
２桁の範囲内であっても使用する番号を制限することもできる。
２ プレイヤーが負傷した場合
① 負傷したプレイヤーが15秒程度様子を見てもプレイが続けられない場合、負傷したプレイヤーが手当を受けた場合、実際に負傷していなくても
チームの誰かが様子を見にコートに入った場合、プレイヤーが出血したり外傷を負ったりした場合は、そのプレイヤーは速やかに交代しなければならない。
但し、このときＣＴＯが認められ、そのタイム・アウトの間に手当が終わった場合は、そのプレイヤーは交代をせずに引き続いてプレイすることができる。
このＣＴＯはどちらのチームが請求したものであってもよい。ＣＴＯが残っている場合は、さらにＣＴＯを請求して手当を続けることができる。
これらのＣＴＯは、それぞれについて審判が通常のＣＴＯを認める合図をしたときから１分を計る。
② 負傷したプレイヤーを除くとそのチームが５人のプレイヤーを出場させることができない場合でどちらのチームもＣＴＯを請求しないとき、
或いはＣＴＯが認められてもその間にそのプレイヤーの手当が終わらなかったときには、審判は５人より少ない人数のままゲームを再開させ
なければならないことが明記された。
そののち負傷したプレイヤーの手当が終わるか、遅れて到着した交代要員の用意が整えば、あらためて５人のプレイヤーを出場させてゲームを
続けることができる。５人目のプレイヤーが加わる時機は通常の交代が認められる時機が望ましいが、それ以外でも適当な時機に主審が認めてよい。
③ 医師が審判の許可なくコートに入ってプレイヤーの様子を見た場合は、そのプレイヤーの手当がタイム・アウトの間に終わったとしても、
そのプレイヤーは一旦交代しなければならない。
ここでいう「医師」とは、チーム関係者として認められてチーム・ベンチにいる当該チームの医師（チーム・ドクター）或いは大会主催者が
依頼した救護担当の医師のことをいう。
３ コーチの任務と権限
① ゲーム中、ベンチ・エリアで立ち続けていることができるのは、コーチだけとなった。
アシスタント・コーチ（ＡＣ）やそれ以外の人は、ベンチ・エリア内で立ち続けていてはならない。
審判から注意を受けた後もＡＣやそれ以外の人が立ち続けていた場合は、ＴＣＦの対象となる。
コーチが失格・退場となったときはＡＣがコーチの役目を引き継ぐので、そのＡＣだけが立ち続けることは差し支えない。
また、キャプテンやキャプテンの代理者がコーチの役目を引き継ぐときも同様とする。
② フリースローシューター（ＦＴＳ）が規則で定められていない場合には、コーチがＦＴＳを決めることになった。従前はゲーム・キャプテン
４ ゲーム、ピリオドの開始と終了
① ジャンプ・ボールは第１ピリオドを始めるときにだけ行われ、それ以外の各ピリオド（各延長時限を含む）は、全てオルタネイティング・
ポゼション・ルール（ＡＰＲ）によるスローインで始められることになった。プレイのインタヴァル中にＵＮＦ、ＴＣＦ、ＤＱＦが宣せられた場合は、
ＡＰＲではなく、ファウルの罰則によるスローインで始められる。
② ジャンプ・ボールのとき、ボールがジャンパーにタップされる前にＵＮＦ、ＴＣＦ、ＤＱＦが宣せられたときは、それらのファウルはプレイの
インタヴァル中に起こったことになる。第１ピリオドは、フリースローのあとセンター・サークルでのジャンプ・ボールで始められる。
③ ジャンプ・ボールのとき、ボールがジャンパーにタップされる前にＶＩＯが起こった場合は、そのＶＩＯはプレイのインタヴァル中ではなく
競技時間中に起こったものとして処置する。
④ 第２以降のピリオド（各延長時限も含む）を始めるスローインのとき、ボールがスローインをするプレイヤーに与えられる前に、ＵＮＦ、ＴＣＦ、
ＤＱＦが宣せられたときは、それらのファウルはプレイのインタヴァル中に起こったことになる。
そのピリオドは、それぞれのファウルの罰則、すなわち、２個のフリースロー及びそれに続くオフィシャルズ・テーブル（ＯＴ）から遠い方の
センター・ラインからのスローインで開始される。
但し、このスローインは、ＡＰＲではなく、ファウルの罰則によるスローインであるので、ポゼション・アローの向きは変えない。
⑤ 第２以降のピリオド（各延長時限も含む）を始めるスローインのとき、ボールがスローインをするプレイヤーに与えられてからコート内の
プレイヤーに触れるまでの間にファウルやＶＩＯが起こった場合は、そのファウルやＶＩＯはプレイのインタヴァル中ではなく競技時間中に
起こったものとして処置する。
⑥ 全てのゲームにおいて、プログラムで先に記載されているチーム又はホーム・チームのベンチ及びそのチームの（自チームの）バスケットは、
センター・サークルからＯＴに向かって右側とすることが明記された。従って、前半に攻撃するバスケットは、相手チームのベンチのある方の
バスケットとなる。
⑦ ゲーム開始予定時刻になっても５人のプレイヤーがそろわなかった場合は、審判は、最大限15分待たなければならない。
この15分間に５人のプレイヤーがプレイできるように用意ができたときは、審判は、ゲームを始める。
この場合、当該チームには、プレイヤーの用意が遅れている事情や理由を審判に説明する義務がある。その事情や理由が審判に十分に納得できる
ような不可抗力的なものであったときは、ゲーム開始を遅らせたとしてもそのチームには罰則は科されない。
納得できなかったときは、“ディレイング・ザ・ゲーム”として当該チームのコーチにＴＣＦが宣せられ（このＴＣＦはスコアシートに“Ｂ”と記入する）、
その罰則を適用したのち、ゲームを開始する。
但し、いかなる場合でも、15分間待っても５人のプレイヤーの用意が整わなかったときは、直ちにゲームは没収され、相手チームの勝ちとなる。
５ ジャンプ・ボール、オルタネイティング・ポゼション・ルール（ＡＰＲ）
① ＡＰＲの改正により、第１ピリオドのセンター・サークルでのジャンプ・ボール以外は、原則としてジャンプ・ボールは行わないことになった。
ジャンプ・ボールの結果、どちらにもボールのコントロールがないままジャンプ・ボール・シチュエーション（ＪＢＳ）となった場合は再度ジャンプ・
ボールとなる。第２ピリオド以降（各延長時限を含む）は、通常の場合（ファウルのない場合）は、ＯＴから遠い方のセンター・ラインからＡＰＲによる
スローインで始めることになった。
② ＪＢＳになったとき、ポゼッション・アローの向きが違っていたり、その他何らかの誤りによって、審判が違うチームにスローインのボールを
与えてしまった場合は、次のように処置する。
１ ボールがスローインされる前、或いはスローインされたボールがコート内のプレイヤーに触れる前に審判が誤りに気づいてゲームを止めたときは、
その誤りを訂正し、正しいチームのスローインでゲームを再開する。
２ スローインされたボールがコート内のプレイヤーに触れたあとは、訂正することはできない。審判は、そのままゲームを続けさせなければならない。
この場合は、次のＡＰＲによるスローインのボールは、誤ったスローインをしたチームの相手チームに与えられる。
③ ＡＰＲによるスローインが終わるときに
「スローインされたボールがコート内のプレイヤーに触れずにバスケットに挟まったりのったりしてしまったとき」が追加された。
そのようなときは、スローインは終わったので、ポゼション・アローの向きは変えられ、改めてＪＢＳとなり、ゲームは、相手チームのＡＰＲによる
スローインで再開されることになった。
④ 第１ピリオドが始まる前を除くプレイのインタヴァル中（ハーフ・タイムも含む）、或いは競技時間中ＡＰＲによるスローインが始まってから
終わるまでの間に、どちらかのチームにファウルが宣せられたときは、ＡＰＲによるスローインはまだ終わっていないので、ポゼション・アローの向きは変えない。
６ ボールの扱い方
① バスケットの下から手を入れてボールに触れることはＶＩＯである。
パスやリングに弾んだボールに触れたときは、ＶＩＯであるがインタフェアのＶＩＯではなくなった。攻撃側、防御側のどちらのプレイヤーにＶＩＯが宣せられても、その瞬間に
ボールはデッドになり、得点は認められない。ゲームは、ＶＩＯの起こった所に最も近い位置から相手チームにスローインのボールが与えられ、再開される。このとき、24秒計は
リセットされる。ショットのボールにバスケットの下から手を入れて触れたときは、インタフェアになる。
７ 省略
８ チャージド・タイム・アウト（ＣＴＯ）交代
① フリースローの場合、ＣＴＯや交代が認められる時機が終わるのが、「１投目のＦＴＳにボールが与えられたとき」に変更された。
また、最後のフリースローののちＦＴＳの交代が認められたときに相手チームにも一人だけ交代が認められるが、その交代を申し出なければ
ならない時機が「最後のフリースローのボールがＦＴＳに与えられる前」までに変更された。
② タイム・アウトの間は、審判が笛を鳴らしてＣＴＯの終わりを知らせるまでは、両チームのプレイヤーはベンチ付近にいなければならない。
また、一方のチーム或いは両チームがゲームを再開する準備ができたとしても、１分（60秒）が経過したことを知らせるタイム・キーパーの
２回目の合図があるまでは、ゲームは再開しない。
③ ＣＴＯが請求されたときにファウルが宣せられた場合は、そのファウルの伝達が完全に終わってからでなければＣＴＯは始まらない。
そのファウルがプレイヤーの５回目のファウルであったり、失格・退場となるファウルであった場合は、そのプレイヤーの交代が終わってから
でなければＣＴＯは始まらない。どのような場合でも、これらの手続きが全て終わり、審判が笛を鳴らしてＣＴＯの合図を示したときから
１分を計り始めなければならない。但し、審判がＣＴＯの合図をする前にプレイヤーがベンチに戻ることは差し支えない。
④ ＣＴＯは、コーチ又はＡＣがベンチ・エリアから出てＯＴの所に行き、直接スコアキーパーに対して請求しなければならない。
しかし、スコアキーパーが目で見てはっきり確認できる場合（ヴィジュアル・コンタクトがとれる）は、ベンチ・エリアから合図をして
ＣＴＯを請求してもよいことになった。但し、この場合は、スコアキーパーが気が付かずにＣＴＯが認められなくても、その責任は
スコアキーパーやそのほかのテーブル・オフィシャルズにはない。いかなる場合でも、コーチやＡＣのＣＴＯの請求は、スコアキーパーに対して
行わなければならない（アシスタント・スコアキーパー、タイムキーパー、24秒オペレイターではない。）
９ 交代
① 「ＶＩＯのあとは、スローインをするチームにだけ交代が認められる」という制限が削除され、どちらのチームにも交代が認められることに
なった。
パーソナル・ファウルの罰則（チームファウルの罰則も含む）によりフリースローの場合は、最後のフリースローでＦＴＳ側のＶＩＯが
宣せられたときも、どちらのチームにも何人でも交代が認められることになった（ＦＴＳも含む）。
この場合は、ＦＴＳのＶＩＯが宣せられた後で交代の申し出があっても、交代が認められる。但し、最後のフリースローでＦＴＳの
相手チームにＶＩＯが宣せられてフリースローのやり直しをする場合、或いはＴＣＦ，ＵＮＦ、ＤＱＦの罰則でフリースローの後
センター・ラインからスローインがある場合は、
フリースローの「セット」が終わっていないので、ＶＩＯが宣せられてもどちらのチームにも交代は認められない。
・得点されたチームにはＣＴＯや交代が認められる。
・第４ピリオド又は各延長時限の最後の２分間以外にゴール・テンディングやインタフェアが宣せられた場合には、どちらのチームにも
ＣＴＯや交代が認められる。
・攻撃側プレイヤーにゴール・テンディングやインタフェアが宣せられた場合には、どちらのチームにもＣＴＯや交代が認められる。
・得点されたチームに交代やＣＴＯが認められた場合には、得点したチームにもＣＴＯや交代が認められる。
② プレイのインタヴァル（ハーフ・タイムも含む）の間に交代するときも、交代要員はスコアキーパーに交代の申し出をしなければならない
ことになった。
ＣＴＯやプレイのインタヴァルの間に交代の申し出があった場合は、スコアキーパーは、交代を知らせる合図器具は鳴らさない。
このとき、交代要員はスコアキーパーに交代の申し出をしたときにプレイヤーとなり、プレイヤーは交代要員となる。
また、ＣＴＯの前に交代の申し出があり、そののちＣＴＯが認められた場合は、審判がＣＴＯを認めたときに交代要員はプレイヤーとなり、
プレイヤーは交代要員となる。これらの場合、審判は交代の合図や交代要員を招く合図をする必要はないし、交代要員が一旦コートに入る
必要もない。
１０ アウト・オブ・バウンズ / ボールをバック・コートに返すこと
① 境界線やセンタ―・ラインの近くで両チームのプレイヤーがしっかりとつかんだまま、どちらか一方或いは両方のプレイヤーが境界線や
アウト・オブ・バウンズの床、或いはセンター・ラインやバック・コートに触れたりしても、ＶＩＯにはならずＪＢＳになることになった。
１１ ドリブル
① プレイヤーがボールをバックボードにぶつけるプレイは、そのプレイがショットでない限り、ボールを床に弾ませたときと同様にドリブルで
あるとみなされる。従って、パスのボールを受け取ったプレイヤーがボールをバックボードにあて、外のプレイヤーが触れる前にそのボールを
キャッチした場合は、そのプレイを審判がショットと判断したとき以外はそのプレイヤーは一続きのドリブルを終えたことになり、新たに
ドリブルすることはできない。また、一続きのドリブルを終えたプレイヤーがボールを空中に投げ、ボールが空中にある間やバックボードに
触れたあと、或いは床に触れたあとに外のプレイヤーが触れない内にそのボールに触れることは、そのプレイを審判がショットと判断した
ときには許されるが、そうでない場合はＶＩＯである。
１２ ３秒ルール
① ３秒ルールは、ボールがフロント・コート内でチーム・コントロールされているときにだけ適用されることになった。
ボールがバック・コートにある間は適用されない。
１３ ８秒ルール / 24秒ルール
① ＪＢＳになったとき、それまでボールをコントロールしていたチームに引き続きスローインのボールが与えられる場合も、24秒の残り時間を
継続して計ることになった。
1999年のルール変更で、どちらかのチームがボールを保持していて、ダブル・ファウルが起こった場合は、ジャンプ・ボールにせず、ボールを保持していたチームの
スローインで再開されることになった。 従前 タイムをリセット → 変更 タイムをリセットしないで継続する。
② 攻撃側チームにバック・コートでスローインのボールが引き続き与えられるときには、８秒が継続して数えられることになった。
すなわち、24秒が継続して数えられるときは８秒も継続して数えられ、24秒計がリセットされるときは８秒も新たに数えられる。
８秒が継続して数えられるときは、24秒と同様に、スローインされたボールがバック・コート内でコントロールされた時点から再び秒数が
数え始められる。
③ ８秒ルールの秒数は、審判が独自の責任で数える。従って、24秒計の表示と審判の数える秒数が一致しないこともある。このような場合は、
審判の判定が優先される。
１４ 24秒ルール
① 24秒の合図が鳴ったときに空中にあったショットのボールがバスケットに入らずリングにも触れなければ、24秒のＶＩＯになるが、このとき、
相手チームのプレイヤーがそのボールを明らかに直接コントロールできると判断したときには、審判はＶＩＯを宣せないでそのままゲームを
続けさせてもよいことになった。ただし、ボールが床に触れたり、ショットしたチームのプレイヤーとボールを競り合ったりしたときは、審判は
直ちに笛をならして24秒のＶＩＯを宣せなければならない。
ボールをコントロールしたチームが24秒以内にショットすることができなかったときに24秒のＶＩＯになることに変わりはない。
② ボールがライブでゲーム・クロックが動いているときに24秒の合図が誤って鳴ってしまってもその合図は無視されるが、合図が鳴ったために
ボールをコントロールしているチームが著しく不利になると判断した場合は、審判はゲームを止めてよいことになった。
③ 審判がどちらのチームにも関係のない理由でゲームを止めたときは、原則として24秒計はリセットされる。
但し、24秒計をリセットすると相手チームに著しく不利になると審判が判断したとき場合は、24秒は継続して計る。
④ ショットのボールが空中にある間に24秒の合図が鳴り、そののちファウルがあったときは、次のように処置する。
１ ファウルののち、ボールがバスケットに入るかリングに触れた場合は、24秒ＶＩＯは成立しないので、ファウルの処置をしてゲームを
再開する。
２ ファウルののち、ボールがバスケットに入らずリングにも触れなかった場合は、ファウルだけでなく24秒のＶＩＯも成立したとみなす。
すなわち、ＶＩＯとファウルが同じデッドの間に起こったものとして、第４２条「特別な処置をする場合」を適用する。
この場合、ファウルが先に起こり、そのあと24秒のＶＩＯが起こったものとして処置する。
１５ ゴール・テンディングとインタフェア
①「バスケット・インタフェア」という用語が「インタフェア」に変更された。
② ショットのボールが空中にある間に審判が笛を鳴らしたり、競技時間の終了の合図が鳴ったときは、そのボールがリングに触れた後でもまだ
バスケットに入る可能性がある間は、どちらのプレイヤーもそのボールに触れてはならないことになった。ショットの動作中のプレイヤーが
ファウルされるか、プレイヤーがすでにショットの動作を起こした後に相手チームのプレイヤーにファウルが宣せられた場合に、シューターが
その一続きの動作でショットを完了したときも、そのボールがリングに触れた後でまだバスケットに入る可能性がある間は、
どちらのプレイヤーもそのボールに触れてはならない
同時に、そのほかのゴール・テンディングやインタフェアの規定も全て競技時間中と同様に適用される。
③ 攻撃側プレイヤーがバックボードやリングをたたいたり振動させたりしたためボールがバスケットに入ったときは、新たにインタフェアになる
ことになった。ボールがショットをしようとしているプレイヤーの手から離れる前でも、ショットされたボールが空中にある間でも、
或いは最後のフリースローのボールがリングに触れた後に攻撃側プレイヤーがバックボードやリングをたたいたり振動させたりしたため
ボールがバスケットに入ったときも、インタフェアである。
また、攻撃側プレイヤーが、審判の笛の鳴った後や、各ピリオド、各延長時限の終了の合図が鳴った後にバックボードやリングをたたいたり
振動させたりした場合も同様である。バックボードやリングをたたいたり振動させたりしたためにボールがバスケットに入ったかどうかは、
いずれの場合も審判が判断する。これらの制限は、いずれの場合もボールがバスケットに入るか、入らないことが明らかになるまで適用される。
④ 「どちらかのプレイヤーがバスケットのしたから手を入れて」ショットやフリースローのボールに触れることはインタフェアであるが、
パスやリングに弾んだボールに触れたときは、ＶＩＯではあるがインタフェアではなくなった。この場合、攻撃側、防御側のどちらの
プレイヤーにＶＩＯが宣せられても、得点は認められない。ゲームは、ＶＩＯ起こった所に最も近い位置から相手チームにスローインの
ボールが与えられ、再開される。このとき、24秒計はリセットされる。
⑤ 第３１条31.2.4-(3)で、「ショットのボールが自チームのバスケットの中にある間に、防御側のプレイヤーがそのボールやバスケットに触れる」ことは、防御側プレイヤーがボールや
バスケットに触れることでボールがバスケットを通過することが妨げられた場合にだけインタフェアになる。ボールがバスケットの中にあるかそうではないかは、第３１条31.1.3を
参照すること。
１６ アンスポーツマンライク・ファウル（ＵＮＦ）
① プレイヤーにＵＮＦが２回記録されたときは、ＤＱＦとなり、そのプレイヤーは失格・退場になることになった。
但し、罰則はＵＮＦの罰則だけを適用し、その上さらにＤＱＦの罰則が適用されるわけではない。
② 第１ピリオドが始まる前を除くプレイのインタヴァル中（ハーフ・タイムも含む）にＵＮＦが宣せられた場合は、次のピリオドは、
そのＵＮＦの罰則による２個のフリースローとそれに続くスローインで開始されることになった。
このスローインはＡＰＲによるものではないので、ポゼション・アローの向きは変えない。
第１ピリオドが始まる前にＵＮＦが宣せられた場合は、従来のとおりに、２個のフリースローを行ったのち、センター・サークルでの
ジャンプ・ボールで第１ピリオドを開始する。
※ＤＱＦやＴＣＦが宣せられた場合も全て同様とする。
１７ テクニカル・ファウル（ＴＣＦ）
① プレイヤー、プレイヤー以外に関わらず、ＴＣＦの罰則で与えられるフリースローの数は、全て２個になった。
② プレイヤーが「ファウルされたように見せかけるために床に倒れる」ことはＴＣＦの対象となることになった。
また、「得点したチームのプレイヤーが、バスケットを通過したボールに故意に触れて、ゲームの進行を遅らせる」こともＴＣＦの項に
明記された。止むを得ず又は思わず触れてしまったような場合は、ＴＣＦの対象とはならない。
③ 審判がプレイヤーに注意や警告を与える場合は、どのような事柄に関することであっても、当該プレイヤーとそのチームのコーチの両者に
与えなければならない。
但し、注意や警告を与えるためだけにゲームを止めてはならない。注意や警告は、ゲーム・クロックが止められているときにだけ与え
なければならない。ゲームを止めてまで警告や注意を与えなければならない程の行為であれば、その行為はＴＣＦである。
このようにして与えられた注意や警告は、当該チームの全てのプレイヤーに適用されることになる。従って、一度注意や警告を受けた
チームのプレイヤーが同じような行為を繰り返したときには、その行為をしたプレイヤーに直ちにＴＣＦが宣せられる。
許容の程度を超える行為に対しては、注意や警告なしに直ちにＴＣＦを宣してもよい。
④ ５ファウルをしてコートから退いたプレイヤー（チーム・メンバー）が再び交代してゲームに出場したときも、スコアシートに“Ｂ”と
記入されることになった。すなわち、コーチに記録されるＴＣＦは、コーチ自身のスポーツマンらしくない行為に対するもの以外は、
全てスコアシートに“Ｂ”と記入されることになった。
１８ 省略
１９ 処置の訂正
① 与えてはいけないフリースローを与えたとき及びＦＴＳを間違えてフリースローをさせたときは、そのフリースローは取り消されるが、
この場合にフリースローを取り消した後のゲームの再開方法がそれぞれ具体的に明記された。
但し、誤ったフリースローを行っている間に宣せられたファウルは取り消されないことになった。
44.2.6 与えてはいけないフリースローを与えたとき、ＦＴＳを間違えてフリースローをさせていたときは、そのフリースローは取り消される。
ゲームは次のように再開される。
（１）誤って与えられたフリースローが行われている間に誤りに気がつくか、そのフリースローの後、ゲーム・クロックが動き始める前に
誤りに気がついた場合は、誤ったフリースローをしたチームにボールが与えられ、スローインでゲームを再開する。
（２）誤って与えられたフリースローが行われたのちゲーム・クロックが動き始めてから誤りに気がついた場合は、次のように処置する。
① 誤りに気がついてゲームが止められたときに、誤ってフリースローが与えられたチームがボールをコントロールしていたか
スローインのボールを与えられることになっていた場合、或いはどちらのチームもボールをコントロールしていなかった場合は、
誤ったフリースローをしたチームにボールが与えられ、スローインで再開する。
② 誤りに気がついてゲームが止められたときに、誤ってフリースローが与えられたチームの相手チームがボールをコントロールして
いたかスローインのボールを与えられることになっていた場合は、ＪＢＳになる。
③ 誤りに気がついてゲームが止められたときに、どちらかのチームに新たに別のファウルの罰則によるフリースローが与えられることに
なっていた場合は、そのフリースローを行ったのち、誤ったフリースローをしたチームにボールが与えられ、スローインで再開する。
② ＦＴＳを間違えてフリースローをさせていたときは、正しいＦＴＳに与えられるべきフリースローも取り消されて与えられないことになった。
③ タイムキーパーのゲーム・クロック誤りで競技時間が正しく計測されなかったときも、審判の指示で、ゲーム・クロックの表示を訂正しても
よいことになった。但し、主審がスコアシートにサインした後は、訂正することはできない。
この場合、正しいゲーム・クロックの表示について確証がないときには、主審は、副審、コミッショナー、テーブル・オフィシャルズの意見を
求めてもよいが、残りの競技時間は主審が最終的に決定する。
２０ 省略
ＭＥＮＵへ戻る
○ 第４ピリオド及び各延長時限の最後の２分間のタイムアウトの後のスローインの位置
(従前) もとのスローインの位置
(変更) バックコート及びそのエンドラインからのスローインは、オフィシャル席の反対側のセンターラインの位置からスローインする。
○ フリースローの場合でチャージド・タイムアウトが認められる時機
(従前) 第１投目のボールがシューターに与えられるまで。
(変更) ①第１投目のボールがシューターに与えられるまで。
②最後のフリースローが成功したとき。
③フリースロー＋スローインの場合は、最後のフリースローの正否にかかわらず、スローインの前。
○ フリースローの場合で交代が認められる時機
(従前) ①第１投目のボールがシューターに与えられるまで。
②シューターに限って、最後のフリースローが成功したとき。
(変更) ①第１投目のボールがシューターに与えられるまで。
②最後のフリースローが成功したとき。
③フリースロー＋スローインの場合は、最後のフリースローの正否にかかわらず、スローインの前。
○ ユニフォームの下にＴシャツを着用することは一切認められなくなった。
○ トラヴェリングの追加変更
ボールを持ったプレイヤーが床に倒れたり、倒れたのちボールを持ったまますべることは規則違反ではないことが規則に明記される。
○ ドリブルをしながらボールを自チームのフロントコートに進めるとき、ドリブラーの両足とボールがフロントコートに触れるまでは、
ボールがフロントコートに進められたことにはならないことになった。パスなどでボールをフロントコートに進める場合は、
従来規則とおりである。
○ 例えば相手チームの速攻のパスを、自チームのフロントコートからジャンプして空中でインターセプトしバックコートに着地したような場合。
従前はバック・パスとなった。→ 改正 バック・パス扱いにはならない。
○ バスケットの下から手を入れてポールに触れることは、すべての場合においてインタフェアになることになる。
この規定は、パスのボールやショットされてリングに触れたあとあるいはリングにはずんだあとのボールにも適用される。
○ 相手チームが速攻に移るときに、 速攻を止めようとして、その攻撃側チームのプレイヤーとそのチームが攻撃するバスケットとの間に
防御側プレイヤーが１人もいない状況で、防御側プレイヤーがその攻撃側プレイヤーに対して後方あるいは横から触れ合いを起こした
ときは、アンスポーツマンライクファウルと判定されることになった。
○ プレイヤーのテクニカルファウルの対象となる行為に、「ひじを激しく振り回すこと」が追加された。この行為は, ひじが相手プレイヤーに
触れなくても、テクニカルファウルの対象となり、触れ合いを起こした場合にはアンスポーツマンライクファウルあるいは
ディスクォリファイングファウルの対象となる。
○ 制限区域が底辺4.9m高さ5.8mの長方形に変更。
○ スリー・ポイント・ラインが50cm延長された。
○ スロー・イン・ラインの新設。第４ピリオド又は各延長時限の最後の２分間のタイム・アウトの後のスロー・インの位置。
従前 オフィシャルズ・テーブルから遠いほうのセンター・ライン。バック・コートにスロー・イン可能であった。
改正 スロー・イン・ライン。バック・パス・ルールが適用される。
（アンスポーツライク・ファウル、テクニカル・ファウルにおけるフリー・スロー後のスロー・インは従前どおり。）
○ ノー・チャージ・セミサークルの新設。チャージングをさせることを目的にバスケットの近くで待ち伏せするようなプレイを排除。
○ フロント・コート内でディフェンス側にパーソナル・ファウルやヴァイオレイションが起こった場合の２４秒ルールの取り扱い。
従前 ２４秒計をリセットし新たに２４秒からスロー・イン。
改正 ファウルが起こった時点で２４秒計の表示が
１４秒以上の場合はリセットしないで継続してスロー・イン。
１３秒以下の場合はリセットして、新たに１４秒に設定してスロー・イン。
（バック・コートでは従前どおりとなる。）
○ プレイヤーがボールをつかんでショットするには最低0.3秒必要であるという基準が設けられた。
故に残分表示が0.1秒及び0.2秒の場合は直接タップか直接ダンクでないとゴールが認められない。
○ スロー・インしたボールに対してディフェンス側がバスケット・インターフェアを犯した場合は、スロー・インはショットと
認められないことからゴールは認められないで、再度のスロー・インで再開する。
○ 第４ピリオド又は各延長時限の最後の２分間にスロー・インが行われるとき、スロワーの手からボールが離れる前に犯した
デイフェンス側のパーソナル・ファウルはアンスポーツライク・ファウルとすることになった。
１．チーム・ベンチ・パーソネル
競技時間中、チーム・ベンチにすわることがみとめられているコーチ、アシスタント・コーチ、交代要員、5回のファウルを宣せられた
チーム・メンバー、チーム関係者を合わせて「チーム・ベンチ・パーソネル」とよぶことになった。
※この「チーム・ベンチ・パーソネル」という表現には、プレイヤーは含まれない。「チーム・メンバー」とは意味が異なるので注意すること。
２．審判、テーブル・オフィシャルズ、，コミッショナー
「24秒オペレイター」という用語が「24秒計オペレイター」に変更された。
３．制限区域
制限区域の内側に色を塗る場合には，単色でなければならないことになった。すなわち、2色以上を用いてはならないことになった。
４．ユニフォーム（アンダー・ガーメント）
「パンツの下にパンツより長いパンツ様のもの（アンダー・ガーメント，パワー・タイツなど）をはいてもよいが、その場合はパンツと同様の
色のものでなければならない」という条項が削除された。すなわち、パンツの下にパンツより長いパンツ様のもの（パンツからはみ出してしまう
アンダー・ガーメント、パワー・タイツなど）をはくことは、パンツと同じ色であっても認められなくなった。
５．第4ピリオド、各延長時限の最後の2分間
「第4ピリオド、各延長時限の最後の2分間」とは、「ゲーム・クロックの表示が“02:00”になったときから」であることが明記された。
６．時限の終わり
「バックボードに、ゲーム・クロックと連動し、各ピリオド、各延長時限の終了の合図がなると同時にバックボードの外枠が赤く発行するような
装置が備え付けられている場合は、この装置が発光した瞬間に、各ピリオド、各延長時限は終わるものとする」ことが明記された。
すなわち、各ピリオド、各延長時限の終了の合図が正しくならなかったり聞こえなかったりしたとしても、バックボードの装置が正しく発光した
場合は、そのピリオド、延長時限は終了したものとする。
７．交代
ハーフ・タイム中は，交代要員はスコアラーに交代を申し出る必要がないことを明記した。
８．コーチ，アシスタント・コーチ
コーチあるいはアシスタント・コーチのうち1人だけは，ゲーム中，チーム・ベンチ・エリア内で立ちつづけることが認められることになった。
両者（コーチあるいはアシスタント・コーチ）は、1人ずつであれば交互に立ちつづけることも許されるが、両者が同時に立ちつづけることは
認められない。
両者は、チーム・ベンチ・エリア内からであれば、ゲーム中、自チームのプレイヤーに話しかけたり支持を与えたりしてよい。
また、「アシスタント・コーチは、ゲーム中、審判に対して、話しかけたりそのほかいかなるはたらきかけもしてはならない」ことが明記された。
これは、テクニカル・ファウルの対象となる行為である。
※両者が同時に立ちつづけることは、テクニカル・ファウルの対象となる。
※両者は、どちらかがあるいは両者が立ちつづけずにベンチにすわっていれば、別個に、チーム・ベンチ・エリア内から自チームのプレイヤーに
話しかけたり指示を与えたりしてよい。
※コーチ、アシスタント・コーチ以外の人が立ちつづけていた場合はテクニカル・ファウルの対象となるのは、従来の通りである。
９．スロー・イン
スロー・インをするプレイヤーがスロー・インをする前にボールを床にはずませること」について，次のように規定された。
・スロー・インをする前にボールをコート内の床にはずませてそのボールにふたたび触れたときは，スロー・インのヴァイオレイションになる。
・スロー・インをする前にボールをアウト・オブ・バウンドの床にはずませてそのボールにふたたび触れても，スロー・インそのものが正しく
行われれば，ヴァイオレイションにはならない。
ただし，「スロー・インでパスしたボールが，コート内のプレイヤーに触れる前にアウト・オブ・バウンズの床に触れること」がスロー・インの
ヴァイオレイションになることには変わりはない。
10．ドリブル
第24条24.2-(2)の条文の表現を「相手チームのプレイヤーにボールをたたき出される」から「ボールが相手チームのプレイヤーに触れる」に
改めた。
すなわち、次の場合には、ころがってしまったボールをリカヴァーしたときにあらたなドリブルを始めてもヴァイオレイションにはならない。
・ドリブルをしている間でもドリブルが終わった後でも、相手チームのプレイヤーにボールをたたき出された場合
・相手チームのプレイヤーが積極的にはたらきかけなくても、ドリブルをしている間のボールが相手チームのプレイヤーに触れてドリブラーの
意図せぬ方向に転がってしまった場合
・ドリブルをしている間にドリブルをミスしてドリブラーの意図せぬ方向にころがってしまったボールが相手チームのプレイヤーに触れた場合
ただし、ドリブルをしている間でもドリブルが終わったあとでも、ボールをコントロールしているプレイヤーが故意にボールを相手チームの
プレイヤーにあてたり触れさせたりした場合は、ボールがドリブラーの意図せぬ方向にころがったとはみなさない。
したがって、このような場合はこの規定は適用されず、ボールをリカヴァーしたあとあらたなドリブルをすることはできない
11．ボールをフロント・コートに進めること
「ボールをフロント・コートに進めることの定義」の5つの場合のうち2つの場合が変更された。すなわち、攻撃側プレイヤーについては、(2)、
(5)のいずれの場合も、両足が完全にフロント・コートの床に触れていなければ（どちらかの足の一部が少しでもバック・コートに触れていれば）、
ボールをフロント・コートに進めたことにならないことになった。「両足が完全にフロント・コートに触れた」という表現には、いったん両足が
完全にフロント・コートに触れた場合も含まれる。ただし、両足が完全にフロント・コートに触れたあと、一方の足が少しでもバック・コートに
触れた場合は、あらためて「両足が完全に」フロント・コートに触れなければボールをフロント・コートに進めることの要件をみたしていること
にはならない。
※この条文で「両足」という表現は，「両足」が「同時」にということを意味しているわけではない。
ドリブルでボールを進めようとしている場合の「ボール」についても同様に解釈するものとする。
12. バック・コートに返すヴァイオレイション
第30条30.1.2で条文の規則の適用に関する内容に変更があったので，条文の該当部分を箇条書きの表現に改めた。
この箇条書きの部分にすべて当てはまった場合にのみ，「ボールをバック・コートに返すヴァイオレイション」になる。
・チームがコントロールしているボールがフロント・コートに進められる。
あるいはフロント・コートでボールをコントロールする。
・そのチームのプレイヤーがそのボールにフロント・コートで最後に触れる。
・バック・コートに触れているそのチームのプレイヤーがそのボールに最初に触れる。
・あるいはそのボールがバック・コートに返ったのちそのチームのプレイヤーが最初に触れる。すなわち、チーム・コントロールしたボールが
フロント・コートに進められても「フロント・コートでそのチームのプレイヤーが最後に触れて」バック・コートにもどったボールでなければ、
攻撃側プレイヤーが最初に触れてもボールをバック・コートに返すヴァイオレイションにはならないことが明記された。
13．24秒ルールその①
第29条2.1-(1),(2)で，条文を「ボールをコントロールしているチームの相手チーム」から「ボールをコントロールしていないチーム」に変更した。
この変更に伴い，次の例のような場合、24秒計の操作における規則の適用が以下に示されるようになる。すなわち、ショットのボールが空中に
ある間（ボールがリングに触れるかバスケットに入る前）に防御側チームにファウルが宣せられ、ファウルの罰則としてシューター側チームに
フロント・コートからのスロー・インのボールが与えられる場合は、「ボールをコントロールしていないチーム」のファウルが宣せられたので、
第29条29.2.1.2が適用され、24秒計が表示している残りの秒数が14秒以上であるときには24秒計をリセットせず24秒は継続してはかり、
24秒計が表示している残りの秒数が13秒以下であるときには24秒計は14秒にリセットする。
具体例:
A4がショットをした。ショットのボールが空中にある間に，B5がA6にファウルをした。
このとき，24秒計の表示は残り6秒であった。チーム・ファウルの罰則はない。
(a)ショットされたボールはリングに触れなかった。
(b)ショットされたボールはリングに触れたがバスケットには入らなかった。
(c)ショットされたボールはバスケットに入った。
処置：
(c)の場合はチームＡにA4のショットによる2点あるいは3点が認められる。
(a)、(b)、(c)いずれの場合も、ゲームはB5のファウルがあったところにもっとも近いところからのチームＡのスロー・インで再開される。
(a)、(b)、(c)いずれの場合も、チームＡのフロント・コートでのスロー・インでゲームが再開されるので、24秒計は14秒にリセットされる。
14．24秒ルールその②
ボールがライブでゲーム・クロックが動いているときに24秒の合図が誤ってなってしまい、その合図がなったためにボールをコントロールしている
チーム（攻撃側チーム）が著しく不利になると判断して審判がゲームを止めた場合は、24秒計の表示は、原則として、審判がもっとも適正と思う
残り時間に訂正してゲームを再開することに変更した。
※審判どうしやコミッショナー、テーブル・オフィシャルズと協議しても適正な残り時間が決定できない場合は、第29条29.2.1を適用する。
15. 24秒ルールその③
24秒の残り時間が少なくなってきたときにショットされたボールがリングに触れなかったのにもかかわらず24秒計が誤ってリセットされて
しまい、そののちリバウンドのボールをシューター側のチームがふたたびコントロールしてフィールド・ゴールを成功させてしまったときは、
審判は、審判どうし、コミッショナーや24秒計オペレイターと協議して処置を決定しなければならない。
協議の結果：
① 実際に24秒が経過するよりも前にフィールド・ゴールのボールがシューターの手から離れていたことが確認されれば、
シューター側チームの得点を認める。
② 実際に24秒が経過してしまってからフィールド・ゴールがなされたことが確認されれば、24秒のヴァイオレイションを宣し、
シューター側チームの得点は認めない。
※ファウルやヴァイオレイションが起こったときもこの場合に準じて処置するものとする。
16. ボールをコントロールしていないプレイヤーとその防御
ボールをコントロールしないで動いている相手に対して位置を占めるときに許される距離としては、相手の速さに応じて「通常の1歩から2歩の
感覚」が必要であるとされていたが、相手がどんなに速く動いていたとしても「通常の1歩の感覚」でよいことになった。
17．フリースロ・シューターのヴァイオレイション
フリースロー・シューターのヴァイオレイションがあったときの罰則の適用について、Official
Basketball Rules 2010でいったん削除された
「フリースロー・シューターヴァイオレイションと同時にあるいは直前や直後に起こったほかのヴァイオレイションはなかったものとし、
フリースロー・シューターのヴェイオレイションだけを取り上げる」という条項が復活した。
この規定は，フリースローが成功してもしなくても適用される。すなわち，フリースロー・シューターのヴァイオレイションがあった場合は、
相手チームがフリースローのヴァイオレイションを起こしたとしても、フリースローが成功したかしなかったかにかかわらず、
ジャンプ・ボール・シチュエイションにはならないことになった。このときは、そのフリースローによる得点は認められず(第43条43.3.1)、
フリースロー・ラインの延長上のアウト・オブ・バウンズで相手チームにボールが与えられ、スロー・インでゲームを再開する。
※あとにフリースローがつづく場合，あるいはファウルの罰則によりスロー・インが与えられることになっていた場合は，それらが優先する。
18．処置の訂正【第44条44.3.2】
第44条44.3.2-(2)について，「スロー・インのボールを誤って与えられたチームが相手よりも先に得点した場合」は処置の誤りはなかったものとして
訂正はしないことに変更された。すなわち，ゲームが止められるまでの間にボールのコントロールが変わったとしてもスロー・インをしたチームが
先に得点をした場合はこの規定が適用されることになった。
１. ノー・チャージ・セミサークル（Ｎ・Ｃ・Ｓ）・ルール
Ｎ・Ｃ・Ｓのラインは、Ｎ・Ｃ・Ｓ・エリアに含まれることになった。
すなわち、Ｎ・Ｃ・Ｓのラインに触れている防御側プレイヤーは、Ｎ・Ｃ・Ｓ・エリア内にいるものとみなされることになった。
したがって、防御側プレイヤーがＮ・Ｃ・Ｓの外側にいても、その防御側プレイヤーがＮ・Ｃ・Ｓのラインに触れている場合は、
Ｎ・Ｃ・Ｓ・ルールの規定が適用されることになった。これは、ショットやパスをするためにジャンプした攻撃側プレイヤーをより
保護するための変更である。
※「片足だけがラインに触れている場合」など，変更に付随する細かい点における規定については，ＦＩＢＡからの解説の発表を待つことになる．
２. タイム・アウト
第４ピリオドの最後の２分間には、１チームがタイム・アウトを３回とることはできなくなった。
すなわち、「１チームは，後半（第３ピリオドと第４ピリオドを通じて）に３回のタイム・アウトをとることができる」が、
第４ピリオドの最後の２分間にはそのチームにタイム・アウトが３回残っていたとしても、それぞれのチームは２回ずつまでしか
タイム・アウトが認められなくなった。これは、ゲーム終了直前における過度の回数のタイム・アウトによるゲームのたび重なる中断を
避けるための変更である。
※１チームが「後半（第３ピリオドと第４ピリオドを通じて）に３回のタイム・アウトをとることができる」という本来の規則についての変更は
ない。
※「前半（第１ピリオドと第２ピリオドを通じて）に２回」、「各延長時限には１回ずつ」のタイム・アウトをとることができることについては
規則の変更はない．
３. ２４秒ルール
フィールド・ゴールあるいは最後のフリースローのボールがリングに触れたのち、シューター側チームのプレイヤーがそのリバウンドの
ボールを取った場合は、２４秒計は１４秒からはかり始められることになった。これは、ゲームのテンポ・アップやスピード・アップを図り、
攻撃やショットの機会をより増やすための変更である。
※ 器具（２４秒計）の仕様に変更が求められているので注意すること。
※ 「ショットによってボールのコントロールが終わっても、２４秒の制限が終わらないうち（ボールがリングに触れなかったとき）に
ふたたび同じチームがそのボールをコントロールした場合は、２４秒計は止めないしリセットもしない」ことについては変更はない。
※ 「パスされたボールがリングに触れた場合」など、変更に付随する細かい点における規定は，ＦＩＢＡからの解説の発表を待つことになる。
４. テクニカル・ファウル／その①
プレイヤーに科されるものでもコーチに科されるものでも、，テクニカル・ファウルの罰則は「相手チームに１個のフリースローと
スロー・インを与える」ことになった。そのほかの点については下記５．に述べられたもの以外、特に変更はない。
これは，テクニカル・ファウルとアンスポーツマンライク・ファウルを比較したとき、“からだの触れ合いのないテクニカル・ファウル”にも
“からだの触れ合いによるアンスポーツマンライク・ファウル”と同様に「相手チームに２個のフリースローとスロー・インを与える」ということ
が罰則としては重すぎるのではないかという考え方から、これらのファウルによる罰則の重さのバランスを取るための変更である。
※ 変更になるのはフリースローの数だけである．
５. テクニカル・ファウル／その②
１プレイヤーにテクニカル・ファウルが２回記録されたときは，そのプレイヤーは失格・退場になることになった。
これは，１プレイヤーが一度テクニカル・ファウルを宣せられているにもかかわらず、ふたたびスポーツマンシップとフェア・プレイの精神を
逸脱するふるまいをしてゲームのクリーンな雰囲気を損なった場合に、そのプレイヤーにより重い罰則を科すための変更である。
※ テクニカル・ファウルとアンスポーツマンライク・ファウルは種類の異なる別個のファウルとして考えるので、１プレイヤーにテクニカル・
ファウルとアンスポーツマンライク・ファウルが１回ずつ記録されても、それだけでは失格・退場になることはない。
※ この規定によってプレイヤーが失格・退場となった場合は，罰則はテクニカル・ファウルの罰則だけを適用する。
したがって、そのうえさらにディスクォリファイング・ファウルの罰則が適用されることはない。
※ コーチに記録されるテクニカル・ファウルの回数によるコーチの失格・退場となる条件については変更はない。
2015～バスケットボール競技規則の変更点
① フロントコートのエンドラインからスローインを行うとき（別紙参照）スローインのボールをプレイヤーに与えるリード・オフィシャルは、
プレイヤーにスローインのボールを与える前に、笛を鳴らしてコート内のプレイヤーの注意を喚起しなければならない（Warning
whistle）。
※この規定は、フロントコートのエンドラインからスローインを行うときのみに適用
（注）オフィシャルズ・マニュアルの改訂はＦＩＢＡからの詳細発表後となるが、本内容が盛り込まれる。
② コート（第２条）本文P14、解説P161
「ノー・チャージ・セミサークルのラインは、ノー・チャージ・セミサークルの一部である」こととなった。これにより、ノー・チャージ・
セミサークル・ルールの適用される要件が変更となる。
③ 用具・器具（第３条）本文P15、解説P162
「24秒計」という用語が、「ショット・クロック」に変更された。これにより、「24秒オペレイター」も「ショット・クロック・オペレイター」に
変更されている（第50条）。
④ チーム（第４条）・ユニフォームのパンツ本文P17、解説P162
パンツの長さは、ひざ上までとする。ひざ頭にかかってしまう長さのパンツは、公式大会のユニフォームとしては認められない。
ただし、身体の成長が著しい小学生以下のカテゴリーについてはこの限りではない（解説P162訂正、別紙参照）。
・番号本文P17、解説P162
ＦＩＢＡの大会においても９９までの全ての番号が認められるようになった。
同一チーム内で「０」「００」の同時使用も可。ただし、「０１」「０２」…「０９」は不可。
「審判の合図」に９９までの番号の示し方が明記された。
・そのほかの身につけるもの解説P163
パンツより長いパンツ様のもの（パンツからはみ出してしまうアンダーガーメント、パワータイツなど）をはくことは、パンツと同色の色であっても
認められない。ソックス様・ストッキング様の下腿部のサポーターや大腿部のサポータの着用は、パンツと同色の色のものであれば認められる。
この場合、下腿部のものはひざ下までのもの、大腿部のものはひざ上までのものでなければならない。ひざ頭にかかってしまうようなものは認められない。
⑤ プレイヤーが負傷した場合（第５条）本文P20、解説P164
・フリースローを与えられることになっているプレイヤーが負傷した場合
フリースローの１投目と２投目の間、あるいは２投目と３投目の間の本来交代が認められない時期にも、負傷したプレイヤーをやむを得ず交代させることができる。
（例）大丈夫だと判断して１投目を打たせたが、やっぱり痛くて動けないケース等
この場合、相手チームも同じ人数だけ交代させることができる。フリースローのセットは終わっていないことから、タイムアウトは認められない。
・チーム・ベンチ・パーソネルが負傷したプレイヤーの様子を見たり介抱したりするためにコートに入ること
→「審判の許可を得たときに限る」ことが明記された。負傷したプレイヤーの交代が認められる前に審判の許可を得ずにコートに入った場合は、
テクニカル・ファウルの対象となる。
⑥ ジャンプ・ボール、オルタネイティング・ポゼション・ルール（第１２条）解説P172～173
「具体例」と「処置」が追記された。
・ａ）、ｂ）、ｃ）、ｆ）の場合、ヴァイオレイションは競技時間中に行ったものであるが、ゲームクロックはまだ動いていないはずなので、
ゲームクロックの表示は「10:00」から再開する。
・ｄ）、ｅ）の場合、すでにゲームクロックは動き始めているはずなので、ゲームクロックの表示はそのときの正しい残り時間からゲームを再開する。
⑦ ショットの動作中のプレイヤー（第１５条）本文P31、解説P176
タップによるショット動作の始まりを「タップしようとしてボールに触れたと、審判が判断したとき」に改めた（内容は従来と同じ）。
⑧ ゴールと点数（第１６条）解説P176
・フィールドゴールによる点数は、ショットしたプレイヤーの位置によって決められる。
・ボールが床に触れてバスケットに入った場合は、その床の位置によって決められる。
＜例＞３ポイントエリアからショットされたボールを２ポイントエリアにいるプレイヤーが触れ、ボールがバスケットに入った場合
→従来…２点変更後…３点
⑨ タイム・アウト（第１８条）
・第４ピリオドの最後の２分間本文P36、解説P181
タイム・アウトが３回残っていたとしても、それぞれのチームは２回ずつまでしかタイム・アウトが認められなくなった。
第４ピリオドの残り２分までに、タイム・アウトが３回残っていた場合、スコアシートの後半の最初の枠は二重線を引く（P102～103）。
電光掲示板の表示方法は別紙参照。
・タイム・アウトが不必要に長引く場合解説P182
審判が新たなタイム・アウトを宣したとき、そのチームにタイム・アウトが残っていないときは、コーチにテクニカル・ファウルが記録される。
このテクニカル・ファウルはスコアシートに「Ｂ」と記録される。
※これにより、コーチのテクニカル・ファウルは、コーチ自身のスポーツマンらしくない振る舞いにより宣された場合は「Ｃ」、それ以外の場合は
「Ｂ」に統一された。
⑩ アウト・オブ・バウンズ（第２３条）本文P42、解説P188
アウト・オブ・バウンズになる要件の表現の変更（内容は変更なし）
⑪ トラヴェリング（第２５条）解説P191
攻撃側プレイヤーが持っているボールに、防御側プレイヤーがしっかりと片手または両手をかけたとき、ボールを持っているプレイヤーの足が
第25条の規定をこえて動いてしまっても、トラヴェリングとはせずジャンプボールシチュエイションとする。プレイヤーがボールを持って
ジャンプしたとき（ショット動作を含む）、防御側プレイヤーがブロックしようとして手をかけ、両チームのプレイヤーが片手または両手を
しっかりとかけたまま床に着地した場合は、トラヴェリングとはせずジャンプボールシチュエイションとする。
⑫ ８秒ルール（第２８条）本文P48、解説P193
「特別な処置をする場合の規定やファイティングの規定を適用し、罰則を相殺したり取り消したりしたとき」に、それまでボールをコントロール
していたチームに引き続きスローインがバックコートのアウトオブバウンズから与えられるときには、８秒は継続して数えられる。
→センターラインのアウトオブバウンズからのスローインでゲームが再開される場合を含む。
（スローインがバックコートになされた場合、８秒は継続して数える）
⑬ ２４秒ルール（第２９条）本文P48、解説P194
・ボールがリングに触れた時とき、それまでボールをコントロールしていたチーム（オフェンス側チーム）が引き続きボールをコントロールした場合は、
ショットクロックは14秒にリセットする。
・リングに触れたボールをどちらかのチームのプレイヤーがコントロールする前にファウルやヴァイオレイションが宣せられ、その処置により引き続き
オフェンス側チームがコントロールした場合にも適用。
・ボールがバスケットに入ってショットクロックがリセットされる場合も適用。
・フロントコート、バックコートにかかわらず適用。
・ショット→ショットクロックの合図→エアーボールのケース
ボールを相手チームが明らかに直接コントロールできると判断した時は、審判は、ヴァイオレイションを宣さないでゲームをそのまま続けさせなければならない。
・同様に、パスのボールが空中にある間やルーズボールの間にショットクロックの合図が鳴った場合、ボールを相手チームが明らかに直接コントロール
できると判断した時は、審判は、ヴァイオレイションを宣さないでゲームをそのまま続けさせなければならない。
（この場合はボールが床に触れたとしてもゲームを続けさせる）
・時限の終了間際のショットクロックの操作
→別紙参照
⑭ ボールをバックコートに返すこと（第３０条）本文P50～51、解説P201～202
・「チームがフロントコートにボールを進めること」と「チームがフロントコートでボールをコントロールしていること」が明確に分けられた。
→「８秒ルール」と「ボールをバックコートに返すこと」は必ずしも関連しない。
（改正により、バックコート・ヴァイオレイションになるケースが減少）
・チームがフロントコートでボールをコントロールしないと、バックコート・ヴァイオレイションは成立しない。
→「フロントコートでボールをコントロールしている」状態とは
(1)両足がフロントコートに触れたその（オフェンス）チームのプレイヤーがボールを持っているかフロントコートでドリブルしている場合
(2)その（オフェンス）チームのフロントコートにいるプレイヤーどうしの間でボールをパスしているとき
→バックコートからパスされたボールが、両足が完全にフロントコートにあるオフェンス側チームのプレイヤーにあたり、そのボールにバックコートに
いるオフェンス側プレイヤーが触れた場合、フロントコートでボールをコントロールしていないので、バックコート・ヴァイオレイションは成立しない
（ただし、ボールは一旦フロントコートに進んでいるので、８秒は新たに数える）。
・攻撃側チームがフロントコートでボールをコントロールしているボールに、両チームのプレイヤーがほとんど同時に触れてバックコートに返ったボールに
攻撃側チームのプレイヤーが最初に触れたときは、ヴァイオレイションとする。（P201(5)）
・センターライン近くで両チームのプレイヤーがボールをしっかりとつかんだまま、どちらか一方あるいは両方のプレイヤーがセンターラインやバックコートの
床に触れたりしても、ヴァイオレイションとはせずジャンプボールシチュエイションとする（P202(7)）。
⑮ からだの触れ合い（第３３条）
ノー・チャージ・セミサークル・ルールの適用要件の変更本文P61、解説P205
・ノー・チャージ・セミサークルのラインは、ノー・チャージ・セミサークルの一部であることとなったので、「片足でもノー・チャージ・セミサークルのラインに
触れている防御側プレイヤー」は「ノー・チャージ・セミサークルの中にいるプレイヤー」であるとみなされノー・チャージ・セミサークル・ルールが適用される。
・攻撃側プレイヤーの要件は変更となっていないので注意。
（ボールを持ったままノー・チャージ・セミサークル・エリアの外からジャンプし、ショットあるいはパスしようとすること）
⑯ テクニカル・ファウル（第３６条）
・テクニカル・ファウルの罰則として与えられるフリースローの数が１個に変更された。
→特別な処置をする場合、罰則の重さが異なるので、通常はアンスポーツマンライク・ファウル、ディスクォリファイング・ファウルのフリースロー（２個）とは
相殺できなくなった。
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